菱垣新綿番船川口出帆之図ヒガキシンメンバンブネカワグチシュッパンノズ
新綿を積んだ菱垣廻船が大坂安治川岸に集まり、出帆しようとする情景を描いた錦絵。作者は安政期に作品を残す大坂の絵師・含粋亭芳豊である。江戸時代には、年に一度、その年の秋にできた新綿を、大坂から江戸に運ぶ菱垣廻船のレースが催された。これを「新綿番船」といい、本図はその出発の様子を活写している。レースに参加する番船の証明書(切手)を乗組員が受取る場面や、切手渡し場に向かい上荷船を漕ぎ急ぐ描写からは出発時の緊迫感が、見物する人びとの様子からはお祭り騒ぎの雰囲気が感じられる。なお、「新綿番船」と同じく、江戸まで商品を運ぶ船のレースに「新酒番船」があった。西宮を出発地とする新酒番船においても、同様の活気がみられただろう。
DATA
資料番号 | 282040200000265 |
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作成者 | 含粋亭芳豊 |
制作年月日 | |
資料群名 | |
文化財指定 | |
資料の形状 | 大判三枚続(縦38.0㎝×横77.4㎝) |
所蔵機関 | 郷土資料館 |
更新日 | 2020年07月31日 |